最明寺 千手観音・仁王像・鰐口・イスノキ
「最明寺(さいみょうじ)」は、鎌倉時代の「北条時頼」が創建したと伝えられています。当時は大きな寺院でしたが、戦国時代の兵火で荒廃してしまいました。
しばらく後、村で疫病が流行った際、消失した本尊「千手観音像」が、山で見付かり、お堂を建てて祭ったところ、疫病が収まったといわれています。
現在、市の指定文化財が3つと、市の天然記念物の「イスノキ」があります。特に、「千手観音像」は、12年に一度だけ公開される秘仏となっています。
※2014年9月にご開帳されました。次回は2026年です。
所在地 | 牧之原市切山509 |
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お問合せ先 | 0548-53-2646(牧之原市社会教育課) |
千手観音 (市指定文化財)
金箔の台座に立った千手観音は、木造で高さ98cm。黒褐色の胴体に円形の頭光が美しい。
台座には元文三年(1738年)と安政二年(1885年)に修理したとある。
この千手観音は秘仏として尊信され12年目毎に開扉されている。
(市設置の立て札より)
仁王像 (市指定彫刻)
最明寺観音堂内に奉られる千手観音の守護神として 仁王楼門に安置されている。
作者は大仏師西山誠翁で江戸中期の作品である。 像の胴体は胸部で三枚、腰のあたりで四枚の縦の厚い板を合わせて造ってあり、手や脚も寄木で、鉄釘や鎹で止められている。眼球はガラス製である。
向かって右が、開口形(阿形)、左が平行形(吽形)。別名蜜迹金剛、那羅延金 剛ともいう。
(市設置の立て札より)
鰐口(わにぐち) (市指定文化財)
鰐口は金属鳴器の一つであるがの形が扁平で側面が裂けたようになっている。
この形が鰐の口に似ていることから名付けられたと言われている。 最明寺の鰐口は、直径28mで次のような銘文が刻まれている。
遠江国榛原郡勝間田之庄きり山村最明寺
同国勝間田之内植松村 施主 柴 太兵衛
元禄十年丁丑卯月日 願主 村松左右衛門
元禄十年(1697年)四月に村松左右衛門が願いを立て、 柴太兵衛がこの鰐口を最明寺(最明寺)に寄進したものであることがわかる。
(市設置の立て札より)
イスノキ (市指定天然記念物)
樹齢 300年以上(推定)
目通り周囲 1.95m
高さ 10m
マンサク科の常緑高木。高さは15mにもなり、4~5月頃深紅色の細花を種状 に付ける。西日本の山中に多く自生するが、本県に生育しているのは珍しい
。
イスノキは、別に「ヒョンノキ」とも呼ばれるが、これは葉に五倍子虫によ る「コブ」ができ、この虫コブから成虫が飛び出す時にでる小さな穴が、口 をあてて吹いたり、風にあたると「ヒョウヒョウ」と音を出すので、そう呼
ばれたものだと言われている。
材質は堅く琵琶のバチや三味線の棹(サオ)、 そろばんの枠などに用いられる。
(市設置の立て札より)
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